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塗家造り 三浦商店 [町歩き・須崎市]

高知県須崎市青木町 三浦商店 天然の良港に恵まれた須崎は近隣の物資の集散地として栄え、三浦商店は戦前コウゾ、ミツマタなど和紙の原料や製品を商い、朝鮮にまで船を出していたという。                       (クリックすると大きな画像が表示されます)

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建築は大正時代中期と言われ、木造二階建て*塗家造りで高知県では代表的な商家建築と評価されている。

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築後約100年、台風の通り道にあり風雨にさらされ、南海大震災にも遭ったが大きな損傷も無く、現在も独特の重量感を見せている。

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一二階とも三層になったやたら分厚い漆喰の高い軒がせりだして建物の周囲を巡っている。

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一階の天井は高く開放感があり、漆塗りと思われる格子天井になっている。

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二階は後期には住居に使われていたようで部屋の間には納戸があり、襖の裏張りには明治30(1897)年代の三浦商店用紙が再利用されていた。

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一階事務所は取り払われているが、戦後になって株取引もされていたようで、一段上がった台に設置された大黒板が華やかし時代を忍ばせている。

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一階裏の金庫室には2台の大型金庫が組み込まれ、豪商の名残をとどめている。また床は深く掘られコンクリートで固められた上に格子状の床板がはめ込まれている。

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天井裏のような金庫室2階には出窓があり、開放することにより湿度を調節していたようだ。

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現在、三浦商店は隣接する三浦家住宅とともに須崎市が管理し、平成26年度には長期保存への補修工事が予定されている。

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*塗家造り  木造商家の防災構造として広く普及している様式。漆喰で壁を塗り固めるところからこの名がある。一般には白色だが煤を混ぜて黒色に、また紅殻(ベンガラ、インドのベンガル地方で出土)を入れて赤くすることもあった。(出典 土佐の名建築 高知新聞社刊)
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